組織を強くする技術の伝え方

組織を強くする技術の伝え方 (講談社現代新書)

組織を強くする技術の伝え方 (講談社現代新書)

ランダムな文字列生成には commons-lang が便利である、ProxyPass を使って IP アドレスアクセス制限のあるサイトの一部を別サーバ経由で閲覧する、そんなちょっとしたノウハウを効率良く情報共有するにはどうしたら良いのか、という事を考えながら手にとった本です。

本書では具体的な手法よりも技術を伝える際の「心構え」と呼べるような事をポイントとしてまとめてあり、組織単位で情報共有を考える人だけでなく、これから新人教育を行うような立場の人にとってもそのポイントは有用であるように思います。また、伝えられる立場の視点が重要視されており、その視点にたった伝え方を考察しているのですが、逆に翻して考えると伝えられる立場としてはどのような事を意識して新しい技術に取り組むかについての示唆であるともとらえられます。

最初期待していた「暗黙知」の共有についてはその重要性を述べるに留まり、具体的に「暗黙知」を表出させていく仕掛け、考え方については触れられていなかった点は残念だったのですが、その点を主眼には置いていない書籍だったという事でそれは私の目利きがまだ足りないという事でしょう。