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脳と仮想

脳と仮想 (新潮文庫)

脳と仮想 (新潮文庫)

GW 中に読みきろうと思い読み始めたのですが、思いの他読み進むのに時間がかかった一冊。クオリアという概念にはじめて触れました。

何よりも印象的であったのは、私達が認識している「現実」とは全て脳が作り出した「仮想」である、ということ。私達が認知している「世界」とは「脳が認知した世界」であり、物質的に存在している「世界」とはまた別のものである、ということ。私が認識している「夕暮れという風景」は、同じものを見ている他人にとっての「夕暮れの風景」は必ずしも同じではない、むしろ同じであるはずがない、ということ。そして、その脳が作り出す「仮想」を通じて人は人とつながっているということ。

そして、そういう絶望的な断絶の向こうにある人間が本来持つ強さ。Matrix の世界で描かれていた人間の本質とは何か、攻殻機動隊で語られていた「ゴースト」とは何か、そういったものを想起しながら、「感じ」させてくれる一冊でした。