ハイパフォーマンス Web サイト

初かもしれない、技術書のレビュー。

ハイパフォーマンスWebサイト ―高速サイトを実現する14のルール

ハイパフォーマンスWebサイト ―高速サイトを実現する14のルール

DB チューニングだ、JVM チューニングだ、という仕事を過去にしていた身としてはフロントエンドでのパフォーマンスチューニングというのは、新鮮な内容でした。あくまでもバックエンドの状態がウェルチューンドである事が前提とはなるのですが(DB 処理で何十秒もかかっていたら、やっぱりまずい)、その後に改善できるポイントとしてフロントエンドに目を向けるという視点の重要性を認識できる一冊でした。

本書で良い点は

  • (数点を除き) 手間なく対処出来る内容が多い、また裏づけもしっかりしている (ように思われる)
  • 測定ツール (YSlow) がペアとなっており、変更した場合に効果をすぐに手軽に測定できる

という所に集約されるでしょうか。

前者で手軽に試せるというのは即実践出来るので嬉しい。

次に後者についてなのですが、パフォーマンスチューニングする際「変更の効果を測定する」という作業は、当たり前といったら当たり前なのですが、結構大きいポイントだと思っています。

というのも、パフォーマンスチューニングに関する情報では、「こういう設定をすれば向上する」というのが多いのですが、変更した場合にどうやってその効果を測定するの ? という所までをケアしているものが少ないように思っています。
例えば DB チューニングだったら、「index をはれば効果はある、ただはりすぎにも注意」というのは情報としてあるけれど、変更した場合に、

  • 実行計画で期待通りになっているか確認しましょう、とか、
  • PostgreSQL だったら pg_statio みましょう、とか、

そういった内容が比較的少ない。(ように思うのは私だけ ?)。その点測定方法 + ツールがペアであるというのはありがたい話だ、と。

オライリー本なのでかさは高いですが、薄いですし通勤時に読むのも苦にならない位でした。

余談。

この本にて YSlow を知ったのですが、各コンポーネントのダウンロード時間の解析用に私はTamper Data というアドオンを使っていました。こちらも手軽。