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DevLOVE 関西 Decision 後記

仕事

間が空いてしまいましたが、先日 DevLOVE 関西 Decision にて発表させてもらいました。

このエントリでは当日時間が足りずに伝えられなかった事を少しと、後は僕自身の気付きを書き残しておきます。

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まずお話出来なかったのが資料で言うところの最後の方 50 枚目 からの数枚です。

まずオペレーショナルな仕事はどんどん取って変わられるという所。僕自身の経験で言うと、サンに居た頃の仕事の一つに、データセンターでの環境のセットアップがありました。冷蔵庫みたいなサーバの構成を組んだり、ネットワークやストレージを配線したり。今では AWS でコマンド一つで済んでしまっています。

また最近何度か オフショアをやられている方の話 を聞く機会があったのですが、口を揃えて言うのは基本的な能力は非常に高い、との事。例えばいわゆるフィーチャーレベルの仕様は日本で設計するけれど、それをブレークダウンして詳細の課題を上げるような所から、オフショア先に任せていると。そういった方々が日本の数分の一のコストで開発しているという事実。また、オフショアに限らずとも例えばチームに若手が入ってきたような場合も同様でしょう。

僕は開発や運用は創造性や経験を要する仕事だと思っていますし、簡単に取って変わられるようなオペレーショナルなものばかりではないと思います。ですが、若手の成長といったチームの新陳代謝や技術の進化を考慮すると、少なくともこの業界においては、自分の今やっている仕事の何割かは少なくとも将来的に「何かに」取って代わられるべき、だとも思っています。

では経験を積んだエンジニアとして何にフォーカスしていくべきか。僕はざっくりですが「生み出す事」だと思っています。それは例えば、データベースなどの技術志向な「ツール」でもいいですし、アジャイルや DevOps といった「考え方」でもいいですし、顧客向けの「プロダクト」でも、なんでも良いと思ってます。その為には、何をやるにせよ「生み出すものの価値」にちゃんとフォーカスしていかないといけない。

「プロダクトを生み出す」という事でいえば、「ユーザにとっての価値」にフォーカスする必要がある。ただ、これは頭で分かっていても、実は結構難しい。「問い合わせ対応・障害対応には関わりたくない」「技術的なチャレンジのない仕事はテンションあがらない」エンジニアだったら、正直こういった感情を持ったことありませんか?これは制作に集中している状況に割り込みは避けたいという自然な思いであると同時に、こういった感情だけにとらわれ続けている限り「ユーザにとっての価値」にフォーカスするようにはなれません。

「感情」は自分の行動のベースとなりますが、これをコントロールするのは自分でも難しいものです。ただ経験を積んで見える世界が変わり、「欲望」が変化することは僕自身が体験したことです。なので、自分自身のど真ん中にある「欲望」の形を少しずつでも変わるように働きかけることで、そこから産まれる感情が変化し、結果として自分の行動が変わっていくのではないかと考えてます。

その為に僕の場合は開発の最前線にいることは諦め、一旦「己の成果」を脇におき「チームの成果」の最大化にフォーカスの中心を移す決断をしました。そうすることで、よりプロダクトの成長を加速させる方向で行動がとれるように変化していこうとしています。ただ、やみくもに今までやってきたことを捨てるべきという話ではなく、僕の場合「未知のものに対する学習」プロセスを好む性質と、収集心ともいえる「色々やりたい」という性質が強く、全く新しい事でも一生懸命やることで楽しめるようになるだろう、という算段はあっての決断です。

結局「自分自身をまず知る」という事が大前提で、その上でタイミングが来たときに、恐れず行動を取りましょう、といった、ここまでの一連の話がタイムオーバーで出来なかったところです。既に長い。。。

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僕自身の気づきについてもあと少し。

まず、全く違うバックグラウンドをもっていて、かつ今も僕とは異なる仕事をしてる川畑さんの話にすごく共感する所が多く興味深かったです。僕自身のプレゼンの内容は、村上隆さんの「芸術起業論」を読み返していて見つけた「欲望」という言葉がストンとハマった所からきています。正直、エンジニアの方とこれまで話した中で村上隆さんの名前が出たことはなかったので、そういった意味でも面白かったです。大石さんのお話も刺激たっぷりでした。僕自身とは違う考えではありますが信念もってやられている姿に考えるきっかけを沢山いただきました。

また、懇親会で話をしていても、会社が傾いた結果給料が払われなかった経験などから「働いたらお金がもらえるのは当たり前ではない」ということを肌身で理解されてる方が数名もいたことに驚きました。お金の話は嫌がる人多いですが、正しく「対価にこだわる」事はエンジニアにとっても大事なことだと思っていて、そういった経験をされてる方は、理屈ではなくて体験としてこの辺りが共感できる感じでした。

最後にもう一つ。僕自身が話したことは同じ世代のエンジニアの方には共感していただけた方も多かったように思います。が、自分自身を振り返っても、たとえば十年前の自分に理解出来たかと問われると自信を持ってノーといえます。年齢も含めチームの多様性を認めつつも、こういったところを共通のゴールや目標として見いだして、共有していくことは継続的に取り組むべき事なんだろうなぁ、とも思いました。頑張ります。

最後に宣伝。価値を生み出すプロダクトを作るために実際にどんな試行錯誤をしているのか、といった内容で、 DevLOVE 関西ゆかりの方々と書かせていただいた電子書籍に一章よせさせてもらいました。十名各々が特色あって面白い書籍になっていますので、ご興味あれば是非読んでいただき @ 宛にでもフィードバックいただけると嬉しく思います。

開発現場に伝えたい10のこと
DevLOVE関西
達人出版会
発行日: 2013-11-16
対応フォーマット: PDF, EPUB


最後の最後に発表の機会を与えてくださった中村洋さん、及び DevLOVE 関西のスタッフの皆様、本当にありがとうございました!