染田、エバンジェリストやめるってよ #DevKan

先日 DevLOVE 関西の 自分戦略〜エバンジェリスト編〜 という、エバンジェリストのキャリアについて語るイベントで「エバンジェリストをやめる」というお話をしてきました。( ※ 会社は変わってません。会社の中でミッションが変わりました。)

今回の発表は長沢さん、寺田さんという大先輩に囲まれている上に、「エバンジェリスト、やめます」という内容もあって、この二年のエバンジェリストとしての発表の中で、もっとも難産かつ緊張も最大級でした。ミッション変更が決まったのが三月末ということもあって登壇も迷ったのですが、イベントのオーガナイザの中村さんから「諸々の経緯や想いをそのまま話してもらったらいいです」というありがたいお言葉をもらったこともあり、赤裸々に語ってきました。

イベントでは、長沢さんの「エバンジェリストは市場を創る者」、寺田さんの「エバンジェリストには覚悟と情熱が必要」といった言葉がとても響きました。僕自身はエバンジェリストはやめることになりましたが、共感できることがとても多く、手探りながらやって来た二年間が間違いではなかったと、救われた気持ちにもなりました。最前列かぶりつきで聞いていましたが、おそらく聴衆の中で一番心揺さぶられた自信があります(笑

僕の発表については資料の公開も考えたのですが、赤裸々感あふれるのと資料だけでは分からない行間の多い発表でしたので、このエントリであらためて文章としておこして、この二年間のエバンジェリストとしての活動を通じてお世話になった人に対してもご報告とさせてもらえればと思っています。

エバンジェリストをやったことが次のステップに

まず「エバンジェリスト」という役割はやめることになりましたが、それを経験したことで、自分が今のチームの中で取り組みたい領域がよりはっきりしました。ですので、決してエバンジェリストに対してのネガティブな気持ちがあるわけではなく、むしろそれをやってきた事で次の決断が出来たと思っています。

発表の中でも言ったのですが、二年前「エバンジェリスト」に転向しようとしていた自分に、もし今の自分が「とめる」か「すすめるか」をアドバイス出来るとしたら、やっぱり「すすめる」と思っています。アウトプットしていく事を通じて得たチャンスもありましたし、何より沢山の良い出会いに恵まれました。今回のイベントの参加者の方にもここは誤解されないように、ともっとも気遣ったところではあるのですが、長沢さんや寺田さんのお話を伺って、あらためてかっこいいなぁと思う、そんな仕事だと思っています。

では、なんでやめることにしたのか。

エバンジェリストになった年の秋ごろ、これも DevLOVE 関西のイベントで、自分のキャリア上の決断をお話をさせていただいたことがあったのですが ( 参考 )、そこでチームの成果に貢献するために「開発の最前線にいることをやめる」ことを決めた、という話をしました。具体的にいえば、当時マーケティングを担当するスタッフの絶対数も少なく、かつ自社の特徴を考えても、エンジニアサイドの人間がマーケティングに関わることで、よりよく会社やサービスが認知され、さらなるサービスの成長に貢献できるのでは、と考えていました。

そうしてエバンジェリストとしての活動をはじめたのですが「エンジニアがマーケティングの領域で貢献できることは多い」という仮説に対しては、確信に近いものを肌感覚として持つに至りました。幾つかの仕事においては、エンジニアとマーケティングが協調しないと生まれなかったような成果も出ることもありました。( 2014年の活動内容 )

その一方、具体的な成果を定義しづらい多くのタスクに対して達成感を得にくくなったり、自由に一人で動き回れる反面、社内のメンバーと結果や悩みを共有できない孤独感が募っていきました。また、エバンジェリストになった時、他に頼りになるメンバーがいるから「原則手は動かさない」と決めていました。それより自分しかできないことに注力しようと。ところが、そうして過ごした去年の冬ごろ、五歳の娘にふと言われた「父ちゃんはつくるのが好きなんやなー」という言葉が、思いのほかこたえたんです。それが一つのきっかけとなって「コードを書きながら考える」という「得意」を活かす方向はないか、という気持ちが大きくなりだしました。

こういった悩みを旧知の友人や役員とも何度か相談した結果、軸足は「エンジニアとマーケティングの間」に置いたまま、

  • サービスの成長そのものを直接ゴールとしてもつ
  • チームと密接に関わる
  • 得意な部分を活かす

といった、ミッションのピボットを行うことにしました。

じゃあ、次は何をやるのか

一つのサービスに集中してグロースハックを担うことになりました。具体的には

  • 各種データ解析を行い、ユーザの行動をより良く知ること
  • 様々なデータやメトリクスを計測可能な状態にすること
  • データ解析から得た知見をベースに改善施策を立案すること
  • 開発およびマーケティングチームと協同して施策を実行すること
  • 施策後のメトリクスの結果から次のアクションを考えること

といったところがミッションになります。

まずは各種のデータを集めて AARRR モデルをベースにしてメトリクス設計をしようとしています。今は前段としてデータの可視化のためのツールを試しています。並行して、実際にデータ解析でどんなことが出来るのか、またどんなデータを集めることが必要かを知るために機械学習の勉強をはじめました。

新しいミッションも簡単なことではないと思いますし、また失敗も沢山すると思いますが、一歩ずつやっていきたいと思います。ということで今後は、グロース☆ハッカー染田としてやってまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

※ 尚、コミュニティには変わらず参加しますので、また何かあれば適宜お声かけください!